慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科

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日吉学生部 大学院担当
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先輩紹介

竹居 直哉 さん

竹居 直哉 さん
慶應義塾大学大学院
メディアデザイン研究科博士課程修了
コンサルタント

40代~ 退職後の再チャレンジ 夢や希望を実現する

モノづくりにはテクノロジーとデザインの横断的視点が必要

モノづくりをしたい。この思いは高校生のときから持っていました。ただ当時は機械工学などのエンジニアリングのほうに進むか、デザイン、アート系に進むか、どちらか1つしか選択できませんでした。結果的に機械工学の道を選び、大学、大学院に進学したのですが、テクノロジーとデザインの両方の視点で見てこそ本当のモノづくりではないかという疑問をずっと抱き続けていました。
大学院を出て京都の分析機器メーカーに就職した私は、鉄鋼の含有量を調べる機械の開発を担当していました。ただ開発と言っても、分析装置の原理自体は長らく変わっていない。開発しているのはアプリケーションやインタフェースがメインで、なかなか新しい製品が生まれない状況でした。そんな行き詰まりを感じていたときに出合ったのが「デザイン思考」という考え方です。
様々な書籍を読んでデザイン思考の日本の第一人者が慶應メディアデザイン研究科(KMD)の奥出直人教授であると知り、アポイントメントを取って直接先生に相談しました。先生は「まずは1年間だけ休職してKMDの修士課程で学んでみてはどうか」とアドバイスしてくださいました。1年間の休職は勇気のいる決断でしたが、現状の閉塞感を打開したいという思いが勝って入学を決意。会社に休職を申し出て上京しました。

修士課程のワークショップでデザイン思考を習得

修士課程ではデザイン思考を徹底的に学びました。なかでも、チームを組んで3カ月かけてプロトタイプを完成させるワークショップが身になりました。テーマは自由で、提示されるのはデザイン思考にとって重要な「観察」「アイデア出し」「工作」のプロセスのみ。たとえば子育てをテーマにした場合は、幼いお子さんのいる方に依頼し、ご自宅に伺って子育ての様子を観察させていただきます。その観察をもとに、グループのメンバーそれぞれがデザイナーとなって、「子育てをする人にとって新しくて良いモノとは何か」を考え、プロトタイプを制作します。デザイン思考のデザインとは、このアイデア出しと工作の課程のこと。これを繰り返してコンセプトを明確にしていき、最終的に自分たちのアイデアを形にしたプロトタイプを発表します。かなり厳しい3カ月でしたが、この授業のおかげでデザイン思考が自分の体の中に入ったように思います。
修士課程の終わりを迎えるころ、奥出教授から「大阪に製造業の研究拠点をつくる話がある。博士課程に進んで一緒に取り組まないか」とのお誘いをいただきました。私は京都の企業に勤めていましたが出身は大阪。自分が理想とするモノづくりができるならと快諾し、仕事を辞めて博士課程に進学。同時に大阪に戻りました。

マネジメントの重要性に気づいた「リアルプロジェクト」

「リアルプロジェクト」はKMDのカリキュラムの軸になる科目です。私のテーマは、主になる事業がすでにある企業が新規事業を立ち上げるためにはどうすればよいかというものです。製造業での研究開発経験を生かし、ある金属部品メーカーと連携してリアルプロジェクトに取り組みました。
ここで気づいたのはマネジメントの重要性です。すでに事業が確立されている企業では、新しい事業を始めようとすると必ず抵抗する人が現れます。そうした人たちをどのように説得してチームを編成し、プロジェクトを進めていくか。メンバーの中には「もうやってられない」と去っていく方もいました。まさに、人を束ねて引っ張っていくマネジメント力が問われ続けたのです。4年を費やしたプロジェクトは、農業のフィールドでイノベーションを起こす“農家の相棒ロボット”として結実し、「agbee」(アグビー)の名称で製品化の手前まで進んでいます。
KMDの社会人学生は、私のように休職、退職して入学してくる方もいれば、仕事を続けながら学ぶ方もいて、そのパターンは人それぞれ。先生方もそれを理解し、柔軟に対応してくださいます。KMDに興味があるなら、「こうでなくては学べないだろう」と決めつけず、まずは先生に相談してみることをおすすめします。

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