明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科

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教授紹介

源 由理子 教授

源 由理子 教授
明治大学公共政策大学院
ガバナンス研究科長

社会開発論 他

「公共のガバナンス」のプロフェッショナルを養成

「ガバナンス」という言葉は“統治”という意味ですが、「企業ガバナンス(コーポレートガバナンス)」という言葉の方が知られているかもしれません。政治学では社会的課題の解決に向けて政府(ガバメント)のみならず、民間企業、NPOなど関係するさまざまなアクター(主体)が関与し、“共に治める”という意味で使われていきました。しかし、ガバメントだけでは現代の多様な社会的課題を解決することができなくなってきました。そこで“協治”、すなわちガバナンスの概念が広がってきたのです。
本研究科における「ガバナンス」は、「企業のガバナンス」に対置するなら「公共のガバナンス」です。“公共”というと“官”のイメージが強いかもしれませんが、本来、公共とは開かれたものです。こうしたことは、本研究科に集う学生層の幅広さにあらわれています。地方自治体の首長、議員、公務員、NPO/NGOの関係者、地域活性化に関心のある民間企業の関係者、またこれからそうした世界を目指す方など実に多彩です。現場では交わることが少ない者同士が日常的に机を並べ、対等に議論する場は非常に希有と言えるでしょう。
「ガバナンス」の視点は、国際協力の場ではすでに不可欠となっています。経済のグローバル化とともに、これまで途上国の課題とされていた貧富の格差や環境問題などが日本を含む先進国にも広がっています。政府だけでは解決が困難なこれらの課題に立ち向かうとき、NGO、民間企業などのアクターとの協働が求められるのです。本研究科のカリキュラムには国際協力分野への関心に応える科目も用意しています。

理論と実践の2本柱で“実践知”を修得するカリキュラム

本研究科に集う学生の目的はそれぞれですが、たとえば公務員なら「職場である自治体の公共政策をより効果的に進めるには」といった具体的な課題を持って入学する方が多いように思います。教員としても、問題意識を持った学生を歓迎します。
ただし、本研究科で身につけてもらうのは課題解決の手法だけではありません。あらゆる場面でその手法を実践するには理論も必要です。本研究科のカリキュラムが基幹科目(理論中心)と政策研究(事例中心)の2本柱で構成されているのはそのためです。理論を学んで経験を体系化しつつ、最新の事例を通して手法を学ぶ。つまり、理論と実践を繋げる“実践知”の修得が本研究科の目指す教育です。今年度、私たちはカリキュラムの再編を行いましたが、それもこの構成をより明確化するためでした。
私が担当する授業を例に挙げましょう。基幹科目の「社会開発論研究」では、経済開発だけではなく人間のwell-beingを目指す「社会開発」について、貧困とはお金がないことではなく選択の幅が限られていることと再定義する理論や、人と人との関係性(社会関係資本)を創出する重要性に関する理論の紹介を通してディスカッションを行っています。
政策研究の「プログラム評価論」では、本来、課題を発見して改善に繋げる作業である「評価」の方法論について考えます。民間企業による業績測定と異なり、公共分野で目指す社会課題の解決は、たとえば「(環境問題に関し)脱使い捨て社会の実現」のように、成果を測りにくいものが少なくありません。この授業では、事例を使って公共政策における評価、戦略はどうあるべきかを考察します。政策研究の授業はテーマ別に細分化されており、現場をよく知る外部の識者を非常勤講師として招き、最先端の取り組みに焦点を当てています。

多様な人材が集う“実践知”のネットワーク

本研究科には、平日夜間と土曜日に開講する日本語コースのほかに、昼間に開講するイングリッシュ・トラック(英語コース)があります。英語コースでは、主にアジア諸国の中央省庁の若手官僚である留学生が、日本語の授業と同じ内容を英語で学んでいます。もちろん日本人も受け入れています。国際協力に関心がある方にとっては、将来、自国の政策決定に関わることになる留学生との交流は大きな財産となるはずです。また、英語コースとは別に、日本人学生と留学生がともに履修できる同時通訳付きの集中授業も設けています。ここでは主に日本における公共の課題解決の最新事例を取り上げますが、相手国の事例を知る機会にもなるでしょう。
修了生のネットワークも非常に緊密です。同窓会をはじめ、修了生が自主的に運営するシンポジウムや研究発表会、セミナーなども盛んに開催されています。
最近の志望者の傾向をみると、定年後の学び直しとして本研究科に入学される方が増えているように感じます。定年後にボランティア活動に参加するようになったことを契機に、より本格的な地域貢献に取り組みたいと考えておられるようです。初めにお話しした通り、本研究科の学生のキャリアはさまざまです。自分自身の経験を踏まえつつ新しい視点を獲得し、多様な人たちとの交流を通して自己を再形成する。そうした柔軟な思考を持った方とともに“実践知”のネットワークを築いていきたいと思っています。

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