慶應義塾大学大学院経営管理研究科

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教授紹介

太田 康広 教授

太田 康広 教授
慶應義塾大学大学院
経営管理研究科

会計管理(MBA) 他

MBAで会計を学ぶ意義

公認会計士や税理士の資格取得を目指すわけではないMBAコースで会計を学ぶ目的は何か。それは、財務諸表からビジネスの実態を想像する「経営分析」の力を養うことです。
たとえば、日常生活で自動車での移動が必要な人は多いでしょうが、自動車を設計したり、組み立てたりする力が必要な人はどれだけいましょうか。設計や組み立てが「書き方」だとすれば、財務諸表の「読み方」は運転の技術です。基本的なエンジン構造の知識は必要ですが、運転に役立つ範囲で構いません。各指標の限界や有効性を理解して適用できること。それがビジネスにおけるジェネラリストにとって必要な会計の素養であり、私がKBSで学生たちに教えていることです。
卒業後、学生の多くは経営に携わります。自社や競合他社の財務諸表から「勝負はこの比率を下げること」「あのビジネス・モデルだな」と気づくための勘所を見極めるノウハウと知恵を磨いてください。習得には10年、20年の時間がかかりますが、KBSの2年間はそのとっかかりとしてこの上ない場となるはずです。

多様なメンバーとの議論で経験値を上げるケースメソッド

KBSの多くの授業では、ケースメソッドを採用しています。かつて、剣道では大ケガを覚悟しながら木刀で稽古をしたそうです。ビジネスも、リアルな場でリスクをとって投資しないと学べないのではいつまでも思い切った経験はできません。剣道はその後、竹刀を用いるようになって無理なく経験値を上げられるようになりました。ケースメソッドは、まさに竹刀での斬り合いの場です。仮想的な環境ではありますが、いずれここで学んだことは実地で生かせます。学生にもそのつもりでディスカッションに臨んでいただきたいと思います。
ディスカッションは核心に向かって収斂させることが大事です。そのためには、参加者に多様性があるほうがいい。たとえば“実務経験”とひとくちに言いますが、同業であっても会社が違えば「それはうちの会社の実務とは異なる」となる。そんなやりとりを通じて議論は活発化していきます。実務経験がない教員もいますが、そのような立場でファシリテーターを務めるのも、KBSの多様性のひとつと言えるでしょうか。もちろん、KBSには実務経験のある教員がいますが、いずれもアカデミックなトレーニングを受けて博士号を取得しているビジネス研究の専門家です。ビジネススクールについて、「泳げない人から水泳を習っても仕方がない」という言い方があるのは承知していますが、一流のアスリートはスポーツ科学の専門家の助言を取り入れてパフォーマンスを上げているはずです。みなさんが自身の“実務経験”を客観視するための助言をすることが私たちの役割でもあります。

フルタイムの2年間はこれからの時代を生き残る準備期間

KBSでは創設以来、一貫してフルタイムのコースを中心に学生を受け入れてきました。KBSに集まるのは、ビジネスキャリアを中断する覚悟をした人たちです。誤解を恐れずに言えば、学びのクオリティはこうした“覚悟”から生まれます。「2年間を無駄にしない」というギラギラした空気は、みなさんに刺激を与えます。
フルタイムの意義として「圧倒的な時間」も挙げておきましょう。ある学生は、ゼロからプログラム言語の「Python(パイソン)」を学び、インターネットから必要な情報を集めて修士論文の仮説を検証する作業をやり遂げました。スキル獲得の時間もあるのがフルタイムの利点です。この学生は、明らかにその後のキャリアの幅を広げたはずです。
KBSでは以前から世界の著名なビジネススクールとの単位交換留学プログラムを展開し、その対象はヨーロッパを中心に世界の全地域を網羅する50校に及びます。この制度で国際レベルの授業を肌で感じることができると同時に、先方の学生を受け入れてもいるので、国内で海外の優秀な学生と席を並べるという環境も実現しています。KBSのクオリティは、こうしたところでも担保されています。
2年間のキャリアの中断はたしかにリスクを伴います。しかし、経営スタイルが大きく変わりつつある日本では、今後、同じ会社で働き続ける人は減るでしょう。別の会社でも役に立つ汎用性の高いスキルのウエイトが上がり、その差がそのまま報酬・待遇の差を生む時代が到来します。そこで生き残る準備期間として2年は決して長くはないと思いますが、いかがでしょうか。みなさんは、生き残る準備ができていますか?

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