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私のリーダー論

タニタの谷田千里社長(上)

デキる社員はフリーランスで タニタ式「働き方革命」

2019/11/19  (1/3ページ)

 体脂肪計や体組成計で国内シェア首位のタニタ(東京・板橋)。社員食堂で健康に配慮したメニューを提供したり、社員全員参加の健康プロジェクトを実施したりするなど、「健康経営」企業としても知られる。そのタニタが2017年から取り組んでいるのが、大胆な働き方の改革だ。希望する社員がタニタでの仕事を続けながら独立し、フリーランスになることを会社が全面的に支援し、報酬面でも努力に報いるという。新制度は創業家3代目の谷田千里社長(47)のリーダーとしての危機感から生まれた。

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タニタの谷田千里社長

■父への反発から和解へ

 ――タニタに入社するまでには曲折があったようですね。

 「子どものころは父に反発していました。『食わせてやっているんだから言うことを聞け』と言われるのが悔しくて、『一刻も早く一人で食べていける力をつけよう』と高校卒業後は調理師を目指しました。母をよく手伝っていたので、料理は好きだったのです」

 「結局、腰を痛めたため調理師の夢はあきらめ、大学卒業後に就職。でも真剣に仕事に向き合うようになったのは、20歳代半ばで船井総合研究所に転職してからです。ビジネスパーソンとしての出遅れを取り戻そうとがむしゃらに働きました」

 「コンサルタントとして企業のトップに会う機会も増える中で、父のことも一経営者として客観的に見ることができるようになり、尊敬の念が芽生えました。同時に父からも経営課題について意見を求められるようになり、お互いに『あれ、意外と話が通じるな』と感じるようになって。最終的に父から『タニタに来てほしい』と言われ29歳で入社しました」

■リーダーとは「まさかの事態」を考え、備える人

 ――08年に社長を継いだ際、「会社を大きくしたい」ではなく、「会社を潰さない」ことを目標にしました。

 「リーダーの役割は、長期的な視点で『まさか』の事態を考え、それに備えることだと思います。私は社長になった瞬間から、辞めるときをゴールと見据えて、そのときの合格ラインは何かを考えました」

 「私の代で会社を潰してしまったらもちろん『不合格』。その『まさか』だけはなんとしても避けたい。では『最低限の合格ライン』は何かといえば、借金をせずに、売り上げ、利益ともにトントンで次世代に引き継ぐことです。でも今後、少子高齢化がさらに進み、消費税はもちろん法人税や所得税が上がっていくような事態になれば、その最低限の合格ラインを超えることすら、かなり大変だと気づきました」

 ――「合格」に向けて、どのような取り組みを進めましたか。

 「最初に取り組んだのは『タニタ健康プログラム』の開発です。もともとは父が社長だった時代に、歩数計や血圧計、体組成計などで得たデータをパソコンや携帯電話に転送して、健康管理に活用するサービスを始めていたのですが、これが当時は全く理解されず赤字になっていました」

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