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私のリーダー論

Jリーグの村井満チェアマン(上)

選手と4つの約束 Jリーグ門外漢チェアマンの原点

2019/01/29  (1/3ページ)

 2014年に第5代の日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)チェアマンに就任した村井満氏は、サッカーチームの監督やクラブ経営の経験がない、外部から招かれた初のトップだ。前職のリクルートで培った経験を生かし、柔軟な発想で矢継ぎ早に改革を実行。停滞していたJリーグを再び活性化に導いた。

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Jリーグの村井満チェアマン

■まずプレーの魅力を高めることを考えた

 ――サッカーが盛んな埼玉県浦和で高校時代はサッカー部に所属していたそうですが、Jリーグとは縁のない生活でした。チェアマンに指名されたとき、どう思いましたか。

 「サッカーは大好きですが、(チェアマンは)できるわけないだろって思いましたね(笑)。監督をしたこともありませんし。でも最終的にはサッカーの未来に大きな可能性を感じて、引き受けることにしました」

 ――チェアマン就任時は、入場者数の頭打ちや一部クラブの財政悪化など様々な課題がありました。まず改善すべきだと思ったのは何でしょう。

埼玉県立浦和高校でサッカー部に所属。ポジションはゴールキーパー(本人提供)

 「急に選手のレベルが上がったり、世界トップクラスの監督やスター選手を呼べたりするわけではないですよね。まず幹部で合宿をして徹底討論し、Jリーグを魅力的なものにするために、プレースタイルの見直しから始めようと考えました。痛くないのに痛がったり、審判に執拗に文句を言ったりするのをやめようと。観客はお金を払って、小細工や駆け引きを見に来ているわけではない。プレーを切らずにとにかく90分、全力で走る姿を見せようと、選手と『4つの約束』(簡単に倒れない、プレー再開を早く、選手交代は早く、異議をやめよう)を掲げました」

 「掛け声だけではなく、コーナーキックにかかった時間をすべて調べてW杯のデータと比べました。ボールがタッチラインを越えて、コーナーキックを蹴るまでの時間は、Jリーグが30.6秒だったのに対し、W杯は26.4秒。4秒も世界の方が早かった。こういうデータを示しながら、クラブごとに改善を促しました」

 ――Jリーグの組織のあり方にもメスを入れました。

 「まずは目指す方向、従業員の目線をそろえることを考えました。着任当時、公益社団法人Jリーグの下に6社の関連会社がありました。それぞれに社長、社員がいて、制度も違うし、オフィスも分かれていました。ある会社はユニフォームやタオルマフラーの製造、ある会社は映像商品、ある会社はイベントをやる。クラブや顧客のために一生懸命やっていましたが、全員がたこつぼに入り込んで、見ている方向が違いました。顧客目線を阻害するセクショナリズムを排し、法人形態などを見直す作業が必要だと感じました」

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