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私のリーダー論

ユニ・チャームの高原豪久社長(下)

「異様なまでのこだわり」を 日本の経営に足りぬ野性

2018/12/20  (2/3ページ)

 「ウーダで最初にやることはオブザベーション=観察です。PDCAは計画から入りますが、計画を立てるには時間がかかるし、外れていればかえって非効率を生むこともあります。変化のスピードが増している今は、時間をかけて計画を立てるより、まずは実態を観察し、本物の情報を得ることが先決だという考え方です。情報が本物かどうか見極めるのに必要なのは直感。直感は思いつきではなく、経験の積み重ねから磨かれるものです」

 「次に、オリエンテーションは、情勢判断と方向付け。そして最も大事なのは次のディシジョン(意思決定)を速くすること。アクションもスピード勝負です。このOODAをしっかり回せることが、これからのリーダーの条件ではないでしょうか」

■潜在ニーズを探り当てるのはデータか感性か

 ――ビッグデータの活用でも、競争が激化していますね。

今のリーダーには「理性・感性・野性」が必要だと話す高原氏

 「消費者の心の琴線を探り当てられるのは、データなのか、人間の感性なのか。私は両者のせめぎ合いはこれからも続くと思います。大量のデータを24時間365日集めて、そこからインサイト(洞察)を抽出するというのは、理屈としては正しいですが、今のデータの取り方はまだまだ不完全で、それができていないというのが現状でしょう」

 「例えば、ユニ・チャームの紙おむつ『ムーニー』を、いつ、どういう人が、どこで買ったのかは分かりますが、使ってみてどう思ったのかまでは分からない。使用時の脳波や心拍数など、いわゆる『バイタル・データ』が正しく取れて分析できるようにならない限り、人間の感性にAIはまだ勝てないのではないでしょうか。ですからこれからは、感性を磨きつつ、データ活用の技術向上も続けるといった両にらみがしばらく続くと思います」

 ――そういう時代を乗り切っていくリーダーに必要な素養とは何でしょうか。

 「語呂合わせみたいになりますが、僕は『理性・感性・野性』だと思っています。こう言うとおこがましいですが、日本の経営者にいま一番足りないのは、野性でしょう。野性はワイルドという意味もありますが、私が社内で使っているのは『異様なまでのこだわり』という意味です。アジアには、お金であろうと地位であろうと、そうしたこだわりを持ち、それをモチベーションとしている経営者がゴロゴロしています。彼らと戦っていくには、やはり日本の経営者も、何かひとつのことに対して異様なほどのこだわりが必要です」

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