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私のリーダー論

エステーの鈴木貴子社長(下)

「えこひいきでもいい」 エステー社長の女性活用術

2018/10/30  (1/3ページ)

 2018年3月期に13年ぶりの過去最高益更新を見込むエステー。鈴木貴子社長は13年の就任以来、顧客の多くを占める女性たちが「ちょっと高くても買いたい」と思うような商品の開発に力を入れ、業績をV字回復に導いた。「カリスマなんていらない。一人一人の社員の能力をいかに引き出し、彼らを奮いたたせるかが私の仕事」と言い切る鈴木社長に、社員の意識改革の進め方や人づくりについて聞いた。

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エステーの鈴木貴子社長

■陰で流している汗も、社長自身がわかっている

――どんな風に社員のやる気を引き出しているのですか。

 「まず組織改革から手をつけ事業部制にしました。『エアケア事業部』『防虫事業部』のように製品のカテゴリーごとの事業部を立ち上げ、従来からあった『製造部門』『営業部門』などの機能をクロスさせる形にしたのです。ユニットごとに責任と権限を明確にし、損益も見える化したことで、社員の意識も変わったのでしょう。結果が出るようになりました」

 「業績が上向いてきてからは社内決算説明会というのを開いています。単に財務数値を説明するのではなく、その数字の裏にあった社員たちの活動を取り上げ、何が良かったのか、何が足りなかったのかを私自身読み解いていくのです。社長が細かいところまで見てるよ、社員が陰で流している汗もわかっているよ、というのを示すほうが、社員がついてきてくれるように思います」

 「終了後には必ず感想を出してもらうようにもしています。管理職以外は数行、管理職はA4の紙1枚。500人分くらいになるので、かなりのボリュームです」

■営業日報にも「にこにこスタンプ」 見てるよアピール

――全部読むのは大変そうですね。

 「確かにそうですが、時には徹夜してまで全部に目を通します。実はこれが私自身のモチベーションアップにもなっているからです。昔の自分を振り返るともっと会社に対してシニカルに構えていたような気がしますが、当社の社員はすごく素直に、努力が数字に結びついたことを喜んだり、決意表明をしてくれたりします。ただし、私の話の中で言及されなかった人から『私もこんなに頑張ったのに』という声が返ってくることもあるので、毎回、話す内容には気を使っています」

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