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リーダーのマネジメント論

マネーフォワードの辻庸介社長(下)

「評論家になるな」 新しいアイデアを常に出し続ける

2018/05/15  (1/2ページ)

 人工知能(AI)やあらゆるものがネットにつながるIoTと並んで注目を集めるフィンテック(Fintech)。金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を融合させたこの新分野で、いま注目を集めるのがベンチャー企業のマネーフォワードだ。創業から5年で、同社の個人向け自動家計簿・資産管理サービスの利用者は500万人を突破。ビジネス向けのクラウドサービスでもシェアを伸ばしている。同社の辻庸介社長兼最高経営責任者(CEO)に、目指すリーダー像などについて聞いた。

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マネーフォワード社長の辻庸介氏

■顧客の反応を肌で感じ取る

――最近では、地方の銀行や事業会社との連携にも力を入れ、辻さん自身で全国を回っていますね。

 「基本的にお客さまとお話しするのがすごく好きなんです。一番大事な当社のバリューは、とことんユーザーの立場に立つ、という『ユーザーフォーカス』。そのためには、僕自身がまずは直接お話をして、お客さまの課題を本当の意味で理解することから始めなければなりません。もちろん、営業やカスタマーサポートの部署から、様々なリポートは上がってきますし、それを読んでいれば、お客さまの抱えている課題はある程度わかります」

 「でも、僕はそれだけでは不十分だと思うんです。やはり、お客さまの課題の『温度感』のようなものは、お会いするからこそ、肌で感じ取ることができる。そして、直接顔を見て話すことで『何としてでも期待に応えたい、課題を解決したい』という強い思いが湧き上がってきます。そうした思いがあって初めて、リーダーとしての意思決定もできるのだと思います」

 「『定期的にお客さまと会いに行ったほうがいい』というのは、営業だけではなくプロダクトを作るプロダクトオーナーやエンジニアやデザイナーにも常々言っています。いいプロダクトは、やはり強い思いとパッションからしか生まれません。さらに、その思いがあることで、開発のスピードも上がると思います」

――そうした考え方を持つようになったきっかけはありますか。

「経営者の本を読んだりDVDを見たりするのが好きなんですよ」

 「社長自ら動くというのは、以前、日本電産の永守重信社長の講演をDVDで見たとき、『社長が一番熱くないといけない』とおっしゃっていて、それを聞いたときに、なるほどと膝を打ちました。永守さんいわく、経営者が集まる講演会で一人の経営者が『うちの社員は働きません』というと、他の経営者も口々に『うちもそうだ』『うちもそうだ』と言いだしたのだそうです」

 「それで永守さんが『それはあんたたちのせいですな。人には可燃性、自燃性、不燃性があって、不燃性はいくらやっても燃えへんから、しゃあないけど、可燃性の人は自燃性が燃えれば燃える。それが燃えてへんのは、社長の燃え方が足りてないんです』とおっしゃったら、会場がしーんとしたらしいんです。永守さんにそう言われたら、もう黙るしかないですが、僕自身、その話を聞いて、ハッとしました」

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