慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科

223-8526 横浜市港北区日吉4-1-1
日吉学生部 大学院担当
TEL 045-564-2518

  • 資料を請求する
  • ホームページを見る

先輩紹介

泉田 良輔 さん

泉田 良輔 さん
慶應義塾大学大学院
システムデザイン・マネジメント研究科修了
GFリサーチ合同会社代表・Longine編集委員長

世の中のしくみをゼロからデザインする

修了生として慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科の話をする際には、いつもその魅力を伝えることの難しさを感じます。一般に「システム」といえばITシステムなどを思い浮かべますが、SDM研究科では「世の中のしくみ」という意味で「システム」を使っています。手に取って分かるもの、目で見えないものを含めて世の中のあらゆるしくみであると同時に、それらを繋げた世の中全体のしくみでもあります。暗黙の了解やすりあわせで社会がまわる日本では、そもそも世の中のしくみを分解して理解しようとしたり、ゼロからデザインするという発想がなじまないのかもしれません。
一方で、たとえば、多様な価値観を併せ持つ多民族国家では、客観性のあるシステムをあらゆる場面に導入しなければ社会がまわりません。これは企業も同様です。私は約10年にわたり外資系資産運用会社で証券アナリストを務め、ものづくりでは優れている日本企業が、ビジネスモデルというシステムの競争に負ける姿を数多く見てきました。システムデザインを理解した上でこの状況を見ると、この勝敗の背景にシステムの有無があるのは明らかです。
SDM研究科はシステムを学べる国内で唯一の大学院ですが、そもそも日本人は「システム」の強さに気付いていない。特に「システム」を構成する一部であり、かつ目に見えるハードウエアにこだわりすぎです。SDM研究科の魅力を伝えにくいのは、こうした理由があるように思います。

解くべき課題を持つ人にこそ有意義な環境

とは言え、私も以前からシステムデザインの有効性に気付いていたわけではなく、SDM研究科の2年間で教授陣との議論を通じ、その本質を喝破したというのが実際です。SDM研究科に出会う以前は、日本のテクノロジー産業を担当する証券アナリストとして勤務しながら、社会に対していくつかの問題意識を抱えていました。やがて、それらを解決するためにテクノロジー、メディア、エネルギー、金融を組合わせたアイデアで起業を考えるようになったのですが、そんな私にSDM研究科のコンセプトはわが意を得たりという感覚だったのを今でも覚えています。
入学後に出会った同級生の中にも、社会や勤務先の硬直化したシステムに対して問題意識を抱き、「SDM研究科でなら自分の問題を解けるのではないか」という期待から入学した人は多いように感じます。システムをゼロから立ち上げる作業は壮大です。また、同じ課題でも切り口が違えば異なるシステムが生まれます。その点で、SDM研究科の2年間の学びは、明確な目的意識を持つ人にこそ有意義かもしれません。

日本のエネルギー安全保障をいかに担保するか

修士論文のテーマは「未活用水資源を電源開発に利用する」というものです。水力発電とはいっても大型のダムを建設するというものではありません。既設施設を活用するというアイデアです。既設インフラに小型の発電機を設置して発電を地産地消化し、ひいては火力発電に依存する日本の電源構成の変革を目指す取り組みです。
SDM研究科では課題を明確にし、レバレッジポイントについて試行錯誤を重ねる経験をしました。レバレッジポイントは「ここを動かせば全体がまわる」というポイントです。裏を返せばボトルネックですが、今回のプロジェクトではステークホルダー(利害関係者)の意識がそれに当たりました。ステークホルダーがプロジェクトの全体像には「総論」で賛同しても、納得するポイントである「各論」がそれぞれ異なることを知りました。解決のためにまずは全体像を分解し、各ポイントをそれぞれの価値観に対応させる作業を重ねました。実はこの過程こそがシステムをデザインするプロセスそのものであり、核となります。
私は在学中にこのアイデアをビジネスにするための会社を設立し、現在もプロジェクトを進行中です。大きな課題にチャレンジしたいと考えている人にとって、SDM研究科は人生を変えるきっかけの場になるはずです。

ページ上部へ