慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科

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日吉学生部 大学院担当
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先輩紹介

平田 大輔 さん

平田 大輔 さん
慶應義塾大学大学院
システムデザイン・マネジメント研究科(2014年3月修了)、SDM最優秀賞受賞(首席にて修了)
放送・衛星通信会社勤務

学びの動機は震災で抱いた「何とかしなければ」の思いと業務の課題

2011年の東日本大震災では、多くの方が「このままではいけない」と感じたことと思います。私も日本のほころびに直面して、「何とかしなければ」と感じたひとりです。また、放送・通信衛星のエンジニアである私は以前から、スマートフォン、光ファイバー、インターネットなど、多様化の著しい放送・通信環境の中で衛星事業はどうあるべきかという問題意識を抱いていました。
震災で抱いた思いと業務の課題。この2つを解決するためには新たな学びが必要と感じましたが、すぐに大学院入学を決めたわけではありません。家庭を持つ身には、キャリアに空白を作ってまでも大学院に通うことは現実的ではなかったのです。
しかしあるとき、本研究科の神武直彦准教授の学会発表を伺う機会があり、“学問”のイメージにはない実践的な内容に魅力を感じました。そこで私の問題意識をご相談したところ、システムデザイン・マネジメント(SDM)の理念や「SDM研究科は世の中の問題を解決するための場所」というお話を伺い、本研究科に興味を持つようになったのです。ご専門(宇宙システム)が私の関心と重なる神武准教授に「大丈夫」と言っていただいたことも、入学を決めるにあたって大きな励みになりました。
仕事との両立にも不安がありましたが、本研究科は夜間と土曜日で主要科目が履修可能なこと、インターネットで学習可能なe-learningシステムがあることを知って、その不安を払拭することができました。

分解と再統合で解決をめざすシステムデザイン・マネジメント

そもそも「システムデザイン・マネジメント」(SDM)という言葉があまり知られていないため、本研究科で何を学ぶのかをつかみづらい方もいらっしゃるでしょう。端的に言えばSDMとは、世の中の複雑な事象は細かい部分の組み合わせであるという認識から、分解と再統合で最適解を導くものです。
たとえばオーディオの調子が悪いとき、「オーディオ」という大まかなとらえ方のまま問題の解決を図ろうとするのではなく、「スピーカー」「アンプ」「プレーヤー」など個々の機器に分解して不良の原因を突き止め、再度組み直すことでオーディオの機能を取り戻すわけです。
本研究科の名物科目である「デザインプロジェクト」はこのSDM学を実践する授業です。ここでは、企業・自治体が抱える課題についてグループワークを通じてソリューションを提案し、実際の担当者からコメントを受けます。私が関わったのは、横浜市港北区が提示した「住みよい町を作る」という課題でしたが、これも「住みよい町」という漠然とした事象を「道路・公園の整備」「安全・安心」などに分解するという手順で解決策を模索しました。

学びを活かして人の心を満たすサービスを創出したい

先にお話しした私の問題意識は「測位衛星を用いた防災情報配信システム」として具体化し、修士論文にまとめることができました。その内容は、測位衛星のメッセージ機能を活用して災害情報を配信するというものです。衛星通信は地上のインフラが寸断されても利用できるため災害に強いことは知られていましたが、従来の通信デバイスは大きく、高価でもあったため個人では利用しづらいものでした。そこで、スマートフォンなど広く普及した端末に災害情報を届け、個人がそのメリットを享受できることをめざしたのです。修士研究を通して測位衛星の利用に新たな価値を提案できたのではないかと考えています。
このシステムをただちに実用化するためには課題もありますが、現在は業務においても、SDMで学んだ方法論を用いて人の心を満たすサービスをデザインすることにチャレンジしています。入学前の私は、問題解決には専門性を高めることが必要だと考えていましたが、本研究科での2年間を通して、自分でも思ってもいなかったところに発想が芽生えていることを感じています。
SDMに興味のある方は、ぜひ研究科説明会などに足を運び、先生方に自分の関心を相談してみることをお勧めします。きっと新しい示唆を得られることと思います。

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