慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科

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日吉学生部 大学院担当
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教授紹介

谷口 尚子 准教授

谷口 尚子 准教授
慶應義塾大学大学院
システムデザイン・マネジメント研究科

政治システム論

システムの最適化と運用は現代社会の重要なニーズ

「システム」という言葉の印象から、本研究科(SDM)が扱う学問分野について、コンピューター等のシステム・エンジニアリングをイメージする方もいるのではないでしょうか。しかしSDMは、「異なる要素を有機的に結びつけて全体を最適に機能させるしくみ」というより広義の「システム」全般を扱います。私の専門分野である社会科学(政治学)の視点で考えると、社会を円滑に動かすための法律や制度はまさに「システム」であり、「システムデザイン」はみんながハッピーに暮らすためのあらゆるしくみづくりを指します。個々の人間・地域・国の思い、事情が大量に、しかも即座に処理されていく現代社会では、これを支えるシステムが極めて重要な位置を占めています。システムの最適化と運用が現代社会のニーズである。私たちが「システム」に着目する背景には、こうした問題意識があります。
これは従来の学問分野にはなかなかなかった視点です。社会にとって意義のある「システム」は、多彩な分野との接合によって生まれるからです。SDMにはあらゆる研究室が垣根なく交流し、コラボレーションしながら研究に取り組むカルチャーがあります。エンジニアリングの世界に慣れた方にとっても、人文・社会科学を学んだ人にとっても、このSDMのカルチャーには新鮮な驚きを覚えるのではないでしょうか。

文理を超える「システムデザイン」の思考

さらに「システムデザイン」という思考は、倫理などさまざまなフェーズ(位相)にも関わります。
たとえば、最近の学生の研究テーマに、「自動運転車にどのような倫理アルゴリズムを搭載すべきか」というものがありました。ドライバーの命を守るために自動運転車は事故を回避しますが、ドライバーの安全を最優先にするために通行人の犠牲や物損事故を許容してもよいかという問題です。さらにこの問題は、自動運転車が万が一事故を起こしたら、誰が責任を取るかというテーマにもつながります。
技術はどんどん進歩しています。新たな技術や経済のしくみが社会に入り込むとき、いかに社会がそれを受け止めるか、社会にとって望ましい政策や法整備をどうするか。こうした問題を新鮮に考えることができるのも、SDMの醍醐味のひとつです。

「社会の役に立ってこそ意味がある」の姿勢を養う2年間

SDMの学生の顔ぶれは、学部を卒業して間もない20代前半から定年退職された70代まで、年齢層もキャリアも実に多彩です。その関心や研究テーマも同様に多彩ですが、大きな傾向として、若い方のアイデアは独創的な半面、実現性に乏しい印象があります。
一方、社会人としてのキャリアを積んだ方のアイデアは、個人的な課題にこだわりすぎる面があるようです。経験に裏づけられた問題意識は大切ですが、先行研究の蓄積をふまえてアイデアを改善し、社会に問う意義を深める姿勢も身につけていただきたい。思い込みを排して客観的に正しさを証明する態度を身につけることにこそ、大学院で2年間を過ごす意味があるのです。
私自身もSDMに着任後、「社会の役に立ってこそ意味がある」との思いをより強く抱くようになりました。教員としても、研究者としても、SDMは非常に面白い体験をもたらしてくれる場所です。
大学院を選ぶ際には、教員やOB・OGらと実際に会って、そのカルチャーを確かめることが大切です。ぜひ私たちとコンタクトを取り、人脈を含めて修了後にどのような価値を得ることができるかを吟味してください。SDMは、みなさんのモチベーションを再び温める「加熱器」であり、次の人生に向けたダッシュを後押しする「加速器」でもあります。学び直しの意欲にあふれるみなさんの入学をお待ちしています。

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