慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科

223-8526 横浜市港北区日吉4-1-1
日吉学生部 大学院担当
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教授紹介

神武 直彦 准教授

神武 直彦 准教授
慶應義塾大学大学院
システムデザイン・マネジメント研究科

システムの評価と検証(System Verification and Validation)

解決したい課題を抱える方に向けて方法論を提供

解決したい課題を抱えているのに、解き方がわからない。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科では、こうした方々に向けて課題解決の方法論を提供しています。
たとえば、地球規模の課題解決の方法としては、人工衛星などに搭載したセンサーや大規模なICTシステムを活用します。オーストラリアでの山火事災害情報配信システム構築に関する研究はその一例です。オーストラリアは国土が広いため、携帯電話がつながらない地区が多く、電話回線では十分に情報を配信できないという課題を解決するためにアメリカのGPS衛星と日本の準天頂衛星を活用するシステムをデザインし、オーストラリア政府と共に検証しています。
一方で、膨大な量の新聞記事や現場でのフィールドワークを経て地域医療などの身近な課題を掘り起こし、ソリューションを創出するようなことも行っています。規模やツールは異なりますが、これらはいずれもSDMの方法論で解決を図ることができます。
すなわち、課題の根本原因をデータなどによって明らかにしたあと、対話やフィールドワークを経て課題解決のためのシステムの設計を行い、そのプロトタイプを作り、検証する。このプロセスがSDMであり、プロセス全体をデザインできる人材を育成すること。これが私たちSDM研究科のミッションです。

行動し、失敗を重ねながら課題解決のプロセスを学ぶ

「方法論を学ぶ研究科」を具体的にイメージしていただくために、授業の一例を挙げましょう。私が担当する「SDM実習」では、昨年、学生が「地域の子どもを見守るシステムの提案と評価」というテーマに取り組みました。慶應義塾大学日吉キャンパスの最寄り駅周辺で、登下校時などの子どもたちの安全をより確保するためのシステムデザインとそのマネジメントのためのソリューションを、グループワークで実現しようというものです。
子どもの見守り向上のためのシステムの実現という課題に対し、デザインするシステムのユーザーは誰か?カスタマーは誰か?その他のステークホルダーとの関係はどのようなものなのか?というようなことを明確化し、現状をヒアリングしたり、観察したりする手法を学んだあと、各グループでそれぞれ課題解決のシナリオを議論します。ITを使ってもいいし、商店街の方が参加するしくみでもいい。学生には些少の資金を提供しますが、この使い道も、企業に協力してもらうための費用やステークホルダーによるワーキンググループを立ち上げるための会議費など様々でした。地域の方々に説明をしても良い感触を得られないという経験を重ねながら、最終的には実に多様性に富んだソリューションのプロトタイプが創出されました。
失敗も含めた様々な経験を経て、授業でSDMの考え方を学び、また実践する。机上でケースを学ぶだけでなく、紆余曲折を経ながらも自ら実践するからこそ、学生は仲間が描いた多様なシナリオに驚き、議論することができます。「Learning by Doing(行動を伴って学ぶ)」。SDM研究科では、この学びのスタイルを重視しています。

熱意と目的意識があれば、どんなことにも取り組める

私は課題解決のツールのひとつとしてテクノロジーを用いることが多いのですが、私の研究室に所属している学生がテクノロジーを専門とする方々ばかりかと言えばそうではありません。薬剤師、社会福祉士、デザイナー、アスリート、安全保障の専門家など、学生の専門は様々です。これは、研究科全体に言える傾向です。多彩な専門性とキャリアを持つ仲間との交流を通して、課題解決のためのヒントを得られるのもSDM研究科の魅力と言えるでしょう。
また、「これをやりたい」と発信していると賛同者が現れてプロジェクトが始まることが珍しくありません。課題解決のためにデバイスやアプリケーションが必要なら、IT系に詳しい人とチームを組むことも可能です。出身学部の文系・理系の別を気にすることはないでしょう。ただし、「ロジカルな思考はできません」では困ります。ある事実をもとに自分の考えをまとめる力は身に付ける必要があります。また、自分が取り組みたいと考えることの魅力を周囲に伝え、納得させるだけの熱意も必要です。一方で、やろうと思えばどんなことにでも取り組める環境ですから、熱意ばかりでは目移りしたまま2年が経ってしまう可能性もあります。SDM研究科への入学を希望されるみなさんには、ぜひ熱意と同時に地に足のついた目的意識を持っていただきたいと思います。

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