慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科

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教授紹介

石戸 奈々子 准教授

石戸 奈々子 准教授
慶應義塾大学大学院
メディアデザイン研究科

産官学連携で子どもたちの“創造的な学びの場”をクリエイト

私は現在、デジタルメディアを用いた創造的な学びの場をつくる活動を行っています。映像・音楽を制作するワークショップの開催やデジタル教科書の普及促進など、その内容は多岐にわたりますが、共通しているのは子どもたちを対象としているということです。
「150年前の医師が現代の医療現場に立ったら何もできないが、150年前の教師は現在の教室でも授業ができるだろう」。これはある教育学者の言葉ですが、まさにその通りで、テクノロジーが進歩しているにもかかわらず、教師が生徒に知識を授けるという教育スタイルは長らく変化がありません。しかし、検索機能が発達した情報化社会では、従来の暗記による知識の蓄積は価値を持たなくなってきています。デジタル時代に生きる子どもたちに必要なのは、膨大な情報を適切に編集して新たな価値を生み出す力なのです。
子どもたちの「創造力」と「コミュニケーション力」を養い、新しい表現やコミュニケーションを生み出すこと。さらに、そのための学びの場づくりを学校や家庭のみに委ねずに、産官学が協働する社会の運動として行うこと。これらを通して豊かな未来社会を創造することが、私の取り組みの目的です。

“Demo or Die”――かたちにできなければ意味がない。

私の活動の原点は、客員研究員として参画したマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボにあります。
ポケベル、PHS、iモードと、テクノロジーの変遷とともに育った世代である私は、その体験からテクノロジーによるライフスタイルの変化に興味を抱いてきました。しかし、大学時代に学んだのはロボット工学で現在の活動に直結するものではありませんでした。そこに活動のヒントを与えてくれたのがメディアラボだったのです。
メディアラボは、ひと言で言えば“おもちゃ箱”のような場所です。多様性に富み、常識にとらわれることのない環境はさまざまな刺激にあふれ、私の関心にかたちを与えてくれました。
なかでも私が感銘を受けたのは、“Demo or Die”(かたちにできなければ意味がない)というポリシーです。日本ではまだこうした認識は低いように感じますが、大学や大学院には本来、新たな価値を生むプラットフォームとしての機能があります。スタンフォード大学からYahoo!やGoogleが生まれ、ハーバード大学からMicrosoftやFacebookが生まれたように、大学や大学院は学びや研究の場であると同時に、社会に新たな価値を発信する役割があるのです。

アイデアをかたちにして発信することを重視したKMDメソッド

私は教員として着任する以前から、自分の活動の一環として本研究科(KMD)と協働していました。その経験からKMD にはITやデザインで社会を幸せにするプラットフォームとなり得る可能性を感じていました。最大の魅力は、アイデアをかたちにして、さらに社会に発信することを重視した独自のカリキュラム(KMDメソッド)を備えていることでしょう。これはまさに、私がMITメディアラボに感じた魅力と同じものです。
実践を重視した「リアルプロジェクト」をはじめ、アイデアを社会に発信、普及させるフェーズで必要不可欠な素養を「デザイン」「テクノロジ」「マネジメント」「ポリシー」の4つに定義し、体系的に学べるという点でもKMDは極めてユニークです。
より良い社会を創造するために頭で考えるだけでなく、とにかく一歩を踏み出したいと考える人にとって、多様な関心や価値観を受け入れ、アイデアの実現に向けてサポートする体制が整っているKMDは有為な場となるはずです。私にとってMITメディアラボがそうだったように、KMDがみなさんにとって、自分の思いにかたちを与える場になれればと思います。

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