慶應義塾大学大学院経営管理研究科

〒223-8526 横浜市港北区日吉4-1-1
TEL 045-564-2441

  • 資料を請求する
  • ホームページを見る

教授紹介

高橋 大志 教授

高橋 大志 教授
慶應義塾大学大学院
経営管理研究科

財務理論

「総合力」と「専門性」の2つの軸を持ったビジネスリーダーを養成

本研究科(KBS)の特色のひとつは、1年次に「会計管理」「経営科学」「組織マネジメント」「マーケティング」等、総合的経営管理能力の基本となる主要8領域の基礎を必修科目として学ぶことです。
KBSの必修科目はケースメソッドによる徹底した議論によって進められます。ファイナンスが専門の私は、コーポレートファイナンス、フィナンシャルマーケット等について学ぶ「財務管理」の授業を担当しています。仕事でファイナンスに関わってきた方の中には、「概要なら知っている」と感じる方もいるでしょう。しかし、ケースメソッドで豊富な事例に触れるうちに新たな気づきがあるはずです。つまり、ビジネスの中でファイナンスが単独の問題として現れることはなく、必ず他領域の要素が付随するという事実です。逆をいえば、プロジェクトの評価にはファイナンスの観点が必須ですから、ビジネスのあらゆる領域にファイナンスが付随します。どの領域がどれだけ関わるか。8領域の必修科目は、ケースごとに異なるそのバランスを見抜く訓練でもあります。ここで養った視点を用いて専門科目や2年次の修士論文に取り組み、専門性を深めていただきたいと思います。
一定のビジネススキルは日々の実務で身につけられます。しかしそれは、「“この仕事は”わかる」に過ぎません。社会にポジティブなインパクトを与えるビジネスリーダーとして活躍するには、自分の仕事をビジネスモデルとして把握したり、他領域とのつながりを俯瞰する能力が必須です。ゼネラリストとしての総合力と、それを土台にした高度な専門性。この2つの軸を持つには、体系立った学びに集中して取り組む一定の時間が必要であり、そこにこそ社会人が貴重な2年間を費やして学ぶ意味があるのだと思います。

個々のニーズに応じて専門性を追求できる環境

私の専門であるファイナンスでは、専門科目でさまざまな切り口の分析を行います。たとえば、この領域の重要なトピックである「資産価値の算出」は、リスクやリターンをはじめさまざまな要素で決まりますからアプローチの選択は重要です。
授業では、過去の事例の問題点と議論の蓄積を踏まえて、自分なりにどう改善・評価するかに取り組んでもらいます。アプローチの評価には長い議論の歴史があり、「それではいまどのように考えるべきか」を考察する力を養うことが目的の1つです。金融商品を評価する場面でいえば、時価算定などの具体的な計算は自分で行うことはなくても、あげられたレポートを読み解く上で、どのようなアプローチで計算されたものかを把握する力は必要でしょう。
また、ファイナンスではデータを扱う場面が多いことはご存じの通りです。最近では、ITを積極的に活用することで興味深い結果を得られますから、実際にソフトを使ってAIによる機械学習などもカバーします。この分野をさらに深く学びたい学生の中には、ゼミでディープラーニングを使った分析に取り組む学生もいます。
先に触れた「総合力」と「専門性」の2つの軸のように、専門分野においてもまずは包括的な課題を知り、さらに最先端の手法にまで関心を深めることができるのがKBSの強みだと思います。この2つの軸のバランスについて、KBSではさまざまな選択肢がありますから、ご自身のニーズに応じて学びを調整してください。

多様な意見が飛び交う環境で2年間を過ごす意味

授業を進めるにあたっては、参加する学生の多様性を引き出すよう努めています。授業に参加する学生のキャリアや年齢層は非常に幅広く、その意見に耳を傾けるだけでも実りある学びとなるはずです。特にケースメソッドの授業では、必ずインタラクション(対話)があります。扱うケースも多彩ですが、参加者によって掘り下げるポイントが異なるのは教員としてもおもしろいですね。こうした環境ですから、人脈やネットワークも自然に培われることでしょう。企業内の同僚とはまた異なる交流が生まれ、「この年齢になって小学生のような損得のない人付き合いができるのは貴重」との声も聞かれます。
また、KBSでは職歴15年相当以上の方に向けたExecutive MBA(EMBA)を開設して2年が経ち、今春、初めての修了生を送り出しました。MBAと異なり職責を全うしながら週末(土曜)中心の授業で学ぶため、かなりハードな2年間を過ごすことになりますが、入学条件から必然的に学生の年齢層は高く、まさにビジネスリーダーとして直面している課題を抱えているためそのモチベーションの高さには目を見張ります。クラスの議論も非常に活発で、研究発表には学術的な視点からも刺激を受けています。さらに充実したコースとなるよう完成度を高めていきますので、ご自身の環境、目的に応じて、MBA、EMBAを検討されるとよいかと思います。

ページ上部へ