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リーダーのマネジメント論

ストライプインターナショナル社長 石川康晴氏(上)

「時間の無駄」と柳井さんが忠告 でも京大MBAへ

2017/09/05  (3/3ページ)

■モーレツ文化を否定され、月残業時間6時間に

――かみつく社員が起こした「変革」の具体例はありますか。

 「モーレツ文化では会社がもたないということに気づかせてくれました。僕自身は、23歳の時に岡山で小さなセレクトショップを始めて、寝る間を惜しんで働いた。そうして事業を拡大し、15年間増収増益を続ける中で、モーレツ文化こそ成長につながる、と勘違いしていた時期があったんです。でも、何人かのミドルマネージャーが、それでは組織としてもちませんとはっきり意見を言ってくれました。そのおかげで、社内のカルチャーを変え、今では平均残業時間が約6時間の月も出てくるようになりました」

 「最近では、あるブランドマネージャーが『社長には戦略がない』とかみついてきました。そこで僕が考えた理由は2つ。一つは、戦略がないように見えるのは彼の目線が一段低いからであって、会社全体が見える経営企画室に入れれば違った風景が見えるのではないか、ということ。もう一つは、もしかしたら、僕の言っていることがわかりにくいのかなと。そこで僕は、彼を経営企画室に入れることにしました。さらにその後、あるブランドの改革を任せた。彼ははじめ、そのブランドは規模が大きいのでためらっていたようなのですが、一緒に改革しようと説得しました。今、僕は週に4時間を割いて、一緒にビジネスモデルの変革に取り組んでいます」

――そういう社員にこそチャンスを与えていこうということですか。

 「はい。まずは改革心のある社員にジョブローテーションで成功体験を積ませ、その過程のどこかでMBAに行かせる。優秀な人間はそこから子会社の社長に抜擢し、営業と管理の両方を体験してもらう。さらに、業績を伸ばせば親会社にボードメンバーとして戻って来る、というルートを確立したいと思っています。社長としては、優秀な部下を側に置いておいたほうが重宝しますが、あえてそれはせず、どんどん子会社に出す。うちでは子会社の社長は、重厚長大企業のように『一丁上がり』の役員が片道切符で行くポストではなく、脂の乗った40代がそこで成長し、さらに上を目指す。そんな組織文化を浸透させたいと思っています」

石川康晴

 1970年岡山市生まれ。幼い頃からファッションが好きで94年に4坪のセレクトショップを創業。95年に旧クロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)を設立。働きながら岡山大学経済学部を卒業。現在、京都大学大学院に在学中。

(石臥薫子)

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