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リーダーのマネジメント論

アステラス製薬社長 畑中好彦氏(上)

「プレゼン時間は1分」

2017/07/21  (2/3ページ)

 「営業部門は、一日15分業務時間を減らしたり、夏季休暇を3日増やしたりすることで、他の部門と違う形で調整しています。年間の有給取得率も、3割向上しました」

――制度があっても現実は実行されなかったり、うまくいかなかったりすることが多いと思いますが。

  「確かに簡単ではありませんでした。全社の働き方を変えるためには、『意識改革』『業務改革』『制度改革』の3つが必要です。制度は、すでに柔軟に働くために考え抜かれた数十に及ぶ、非常に整ったものがありました。しかし、現実にはその制度をなかなか使えませんでした」

 「理由の多くは、制度を使いたい人と上司との間にある意識のミスマッチです。そこで、私が部長クラスの幹部を全員集めて、有無をいわさず、まず社長の私から働き方を変える、と宣言しました。『私たちの会社は、イノベーションを起こし成長する会社だ。そのために必要な多様性、柔軟性が大事だ。今の長時間労働を基本にした業務の組み立て方では、女性は結婚・出産のタイミングで壁にぶつかるし、外国籍の社員も働きにくいまま。次々に多様な人を受け入れるためには、今の働き方ではダメだ』と」

■経営会議も「1分プレゼンルール」

 ――具体的にはどのように変えたのですか。

 「会議に出てくる人を減らすよう伝えました。本当に必要な人だけ会議に出ればいいし、出た人は結果を周りに伝えたらいい。まず経営会議から、率先して変えました。新しいやり方は、『議題のプレゼン時間は1分』ルールです。今までは1議題に1時間ほど与えられ、提案者が50分ほど滔々(とうとう)とプレゼンしていました。結果、経営会議は7、8時間に及び、丸一日空けているのが普通でした」

 「『1分プレゼンルール』とは、提案者は審議者に事前に資料を送り、会議の場では1分だけやるから、一番の思いをいう場にしよう、と決めたものです。審議者は、言葉の意味をその場に聞いたりしないで、中身をきっちり勉強した上で会議に臨むことを求められます。会議では、いきなりQ&Aで、本質的な議論をする場にしましょうと号令した。審議者は予習しなければならないので大変ですが、これで本質的な議論が短時間で可能になりました。会議の質も非常によくなった。経営会議は午前中に終わり、これまでの半分ですむようになったわけです」

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