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リーダーのマネジメント論

日産自動車会長 カルロス・ゴーン氏(下)

「傷ついても学んでもらう」

2017/07/02  (3/3ページ)

■後継者を育てるということ

 ――リーダーは意識的に後継者を育てなければならないのでしょうか。

 「一般論としては賛成できません。最高経営責任者(CEO)が後継者に責任を持つことは大きな間違いだと思っています。その役割として的確ではないからです。それは取締役会の責任です。なぜかというと、CEOがやめた後も取締役会は残るからです。私はCEOの後継者に対する責任は極小化すべきだと思っています」

 「CEOは後継者に責任を取れません。確かにやめた直後は、前任者のメリットが残っています。しかし、やめてから3年から5年たったあとで、うまくいくかどうかわかりません。後継者の実績は3、4年たった後に出てきます。ですから最終的には取締役会が決定しなければなりません。日本企業の場合、取締役会の役割は小さいですが、少しずつ、今、私が伝えたような方向に向かっているように思います。社外取締役も増えています」

■厳しい状況にある組織こそ生き残る

 ――10年後に勝ち残る企業とリーダーの要件は何ですか。

 「具体的に誰が生き残るか、それは明確にいえませんが、必要条件はあります。生き残るのは、学び続ける組織です。常に知識を向上させて、問題を特定し解決策を考え続ける組織が生き残ります」

 「常に厳しい状況にある組織のほうが、しなやかに伸びるのです。人生も、会社も同じです。そして、不可抗力ですが、運も大事です。会社が幸運だったり不運だったりすることがある。生き残るには状況にも左右される。しかしそれも理解しなければなりません。変化に対応する能力、学び続ける組織であること、そして常に実績主義でいく従業員。これが生き残るための基本的な要件です」

(松本千恵 代慶達也)

 前回掲載「『私は変化が嫌いだ』 再建王ゴーン氏の本音 」では、「危機はチャンス」と説くゴーン氏の経営哲学を聞きました。

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