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私を変えたMBA

佃秀昭・エゴンゼンダー社長(下)

東大卒の銀行マン 理系トップMITで人事に覚醒、転職

2017/03/07  (1/3ページ)

 コーポレートガバナンス(企業統治)に関するコンサルティング業務を展開するエゴンゼンダーの佃秀昭社長(52)が振り返る、経営学修士(MBA)留学体験記。後半は、苦境の前半から一転、新たな自己を発見し、状況が好転するところから始まる。やがてそれは、企業統治のスペシャリストとしての道を歩むことにつながっていった。

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■ファイナンスを極めようと、副学長に猛アタックしてまで入ったマサチューセッツ工科大(MIT)ビジネススクール(スローン)だったが、卒業論文のテーマは人事論だった。

 人事論の授業を受けたら、それまで興味のなかった人事論が非常に面白く感じ、自分に向いているのではないかと思いました。ファイナンスで苦戦し打開策を模索していた身にとっては、渡りに船でもありました。

 印象に残っているのは、ゲストとして授業に招かれたゼネラルモーターズ(GM)の人事責任者の話です。GMが、ドイツ車や日本車への対抗策として、子会社を立ち上げ、新ブランド「サターン」を発売した時期でした。

 人事責任者は、その子会社のワークルール(労働規約書)を私たちに見せ、契約社会である米国の一般的なワークルールと比べて、それがいかに薄いかをしきりに自慢。そしてそれは、日本企業から学んだと説明しました。

 日本企業に学ぼうと必死の米企業。しかし、その日本企業は、進出先の米国で、労働文化の違いに苦労している。ある国で当たり前のことが、他の国ではそうではない。グローバル経営には、多様な目線を持つことがいかに大切かということを、その授業で教わりました。卒業に必要な卒論のテーマも、日米企業の人事制度の違いにしました。

 当時はもちろん、将来、企業統治にかかわる仕事をするなど想像もしていませんでした。しかし、今の仕事も、日本企業にふさわしい経営とは何か、人事とは何かという問題意識を持ってやっているという意味では、私のキャリアの原点はスローンにあるとも言えます。

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