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私を変えたMBA

佃秀昭・エゴンゼンダー社長(上)

東大卒の銀行マン、MITの金融授業には歯が立たず

2017/02/28  (3/3ページ)

■授業が始まって、再びショックを受けた。

 1年目の1学期にとった統計学は、テストと提出したリポートの出来で成績が決まるという授業でした。評価はABCDで、Dだと単位がもらえません。テストの手ごたえがあったので、成績は悪くてB、ひょっとしたらAかなと勝手に予想していたのですが、結果はなんとD。ミクロ経済学の授業も、AかBとの予想が、合格ラインギリギリのC。スローンは理系の出身者が多いので、理数系の授業は平均点が高いのだろうと推測しました。

 スローンは全体で一定以上の成績を取らないと卒業できません。私の1学期の成績がそのまま続いたら、確実に落第でした。危機感を抱き、必死になって勉強しました。

 もうひとつのショックは、選択科目でとったファイナンス系の授業でした。もともとスローンを志望したのも、ファイナンスに強いビジネススクールに行き、銀行員としてのキャリアに生かそうとの考えがあったからです。

 ところが、より専門的な選択科目のファイナンスの授業は、私にはほとんど歯が立ちませんでした。例えば、中学校の理科で学ぶブラウン運動と株価の動きは同じであることを証明せよと言われても、さっぱりわからない。この授業は途中であきらめ、落としました。ノーベル賞をとった教授のオプションセオリーの授業も難解を極めました。

 スローンに入るまでの私は、現役で東大に合格し、三和銀行に三顧の礼で迎えられ、同期の中では真っ先にMBA留学と、トントン拍子の人生。それが、スローンで鼻をへし折られるような経験を次々と味わい、自分の限界を思い知らされました。

 インタビュー/構成 猪瀬聖(ライター)

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