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私を変えたMBA

資生堂社長 魚谷雅彦氏(下)

ダイバーシティーは海外MBAで鍛えよ

2016/12/20  (1/3ページ)

 海外留学の夢がかない、20代半ばで米コロンビア大学ビジネススクールに社費留学した魚谷雅彦・資生堂社長(62)。クラス討論に一時は自信を失ったものの、自力で何とか克服した。物語の後半は、その後のキャリアや経営哲学を形作ったビジネススクールでの体験に、さらに踏み込んでいく。

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■ニューヨークという地の利を生かし、生きた教材から経営を学んだ。

 マンハッタンには数多くの世界的な企業が本社を構えており、企業との交流や接点もたくさんありました。そこから多くのことを学びました。

 例えば、私の留学中にちょうど、ジョンソン・エンド・ジョンソンの解熱鎮痛剤タイレノールに何者かが毒物を混ぜ、7人の犠牲者が出る痛ましい事件がありました。トップの英断で素早く商品回収に動き、逆に同社の評価が高まりましたが、ビジネススクールの教授の中に同社の顧問がいて、同社の企業経営のあり方など、様々な話を私たちにしてくれました。教授の中には企業のコンサルタントをしている人も多く、生きた事例を数多く学ぶことができました。

 企業訪問で印象に残っているのは、ある大手広告代理店を訪ねた時のことです。私たち学生が会議室で待っているところに、無愛想な表情をした担当者が入ってきて、会社の説明のために置いてあったボードを、なんといきなり放り投げるではありませんか。私も含め、みんな意表を突かれてびっくりしましたが、その担当者は拳で左胸をたたきながら、「君らに会社の説明をするのに、こんなボードは必要ない。俺はここで話す」と平然と言い放ちました。

 米国人というのは、相手に何かを伝えるために、ここまでプレゼンやコミュニケーションに工夫を凝らすのかと、いたく感心しました。話し方も非常に情熱的。日本の企業だったら絶対に考えられないことです。

 日本に帰国してからも、役員相手に商品企画などのプレゼンをする時は、このプレゼンを参考にしました。もちろん、ボードを投げたりはしませんでしたが(笑)。30歳というライオン最年少の若さでブランドマネジャーに抜擢されたのも、こうした留学中の経験のお陰だと思っています。

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